読んだ医学論文まとめ

現医学科6年。脳神経内科、リハビリテーション科など志望。日々の学習をアウトプットしたいと思います。医学的助言を提供するものではありません。情報の二次利用は、利用者の自己責任でお願いいたします。

自己免疫性脳炎をどのような時に疑い、どのようにアプローチするか

自己免疫性脳炎を疑う臨床所見は「精神神経症状+発作、または中枢神経巣症状」である

possible autoimmune encephalitis (自己免疫性脳炎疑い) の診断基準は以下のようになっています。

f:id:sishikawa1113:20220226165303j:plain

この診断基準からわかるように、自己免疫性脳炎を疑う臨床所見は「精神神経症状と、発作または中枢神経巣症状が同時にみられる」です。精神神経症状だけでは精神科疾患と区別がつきにくいかと思われますが、発作 seizure や、中枢神経巣症状などがみられる場合は精神科疾患で説明がつかず、自己免疫性脳炎を考慮すべき、と考えるべきでしょうか。

 

自己免疫性脳炎を疑ったときに考えるべき7項目

では自己免疫性脳炎の可能性が生じたとき、どのようにアプローチしていけばよいか。NEJMのCase records 22-2021では以下の7項目を考えるべきとしています。

f:id:sishikawa1113:20220226170118j:plain

 

参考文献 

Lancet Neurol 2016; 15: 391–404  種々の診断基準が載っており、必読です。

N Engl J Med 2021;385:358-68. 脳アミロイドアンギオパチーのMGH Case Recordです。